過去の流死産経験は次の妊娠中のQOLに影響を及ぼす：エコチル調査
研究のポイント
富山大学学術研究部医学系母性看護学講座の二川香里准教授らのグループは、「子どもの健康と環境に関する全国調査（エコチル調査）」に参加する82,013名の母親を対象として、過去の流死産回数と妊娠中のQuality of life（生活の質、QOL）の関連を調べました。その結果、過去の流死産回数が多いほど妊娠初期の身体的なQOLが低くなること、流死産歴がある妊婦は流死産歴が無い妊婦と比較して妊娠後期に向けて身体的なQOLがより向上することを明らかにしました。この結果より、医療者は、過去に流死産歴がある妊婦の妊娠初期に身体的QOLの低下がないかを注意深く観察する必要性が示唆されました。
この研究成果は、産婦人科学系専門誌「BMC Pregnancy and Childbirth」に2023年4月28日に掲載されました。
研究内容の詳細
過去の流死産経験は次の妊娠中のQOLに影響を及ぼす：エコチル調査[PDF, 746KB]
論文情報
論文名
Longitudinal study of the relationship between number of prior miscarriages or stillbirths and changes in quality of life of pregnant women: the Japan Environment and Children’s Study (JECS)
著者
二川香里1?松村健太2,3??田暁子2,3?小西瑞穂4,5?佐々木八十子5,6?目澤秀俊5?山本貴和子5?稲寺秀邦2,3?長谷川ともみ1?JECSグループ7
1)富山大学 学術研究部医学系 母性看護学
2)富山大学 学術研究部医学系 公衆衛生学
3)富山大学 エコチル調査富山ユニットセンター
4)東京成徳大学 応用心理学部
5)国立成育医療研究センター研究所 エコチル調査研究部
6)静岡社会健康医学大学院大学
7)エコチル調査コアセンター長、エコチル調査メディカルサポートセンター代表、エコチル調査各ユニットセンター長
掲載誌
BMC Pregnancy and Childbirth（2023年4月28日オンライン掲載、23巻、297）
DOI
https://doi.org/10.1186/s12884-023-05578-6
お問い合わせ
富山大学 学術研究部医学系 母性看護学
准教授 二川香里
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